少年社中「天守物語」@2011 吉祥寺シアター

歌舞伎では何度も見ている作品。
泉鏡花も好きだし、どういう風に上演されるのか楽しみに出かけました。

少々ネタバレあり。

少年社中は名前は知っていましたが初めて。
さすが長く続いているだけあって、演技も歌も踊りも完成度が高い。
物語は原作をベースに、図書の父親の存在と、
妖は人間を殺したら鳥になる、という独自の構想から
再構築されている。

原作から離れ、やけに人間味を持ってしまった妖の存在は
残念ではあるけれど(人との違いが薄れてしまうから)
物語としてはまとまっている。

たまたまだろうが、図書役(廿浦)の口跡が海老蔵に似てたのも驚きだった。

そして演劇が時代を映すものである限り、
これからの(劇)作者たちは地震から離れられないのかもしれない。
戦争と同じように。
現実が劇以上に”劇的”であるとき、人は劇に何を求めるのだろう。
劇は人に何を与えるだろう。

戦争や安保のときも同じ思いがあったかもしれないが、
あれは人災だった。
たとえば清水邦夫やテント芝居は、
当時、劇と、劇場の外が同じ地平に存在していたのではないだろうか。
それと同じことが、今回も起こりうるのだろうか。

とりとめもなく、答えはまだ見つからない。

原作:泉鏡花/脚色・演出:毛利亘宏
★出演者★
堀池直毅、井俣太良、大竹えり、岩田有民、廿浦裕介、
加藤良子、長谷川太郎、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文
あづみれいか、中村龍介、柴木丈瑠、ちょーすけ
萱 怜子、菊池千花、堀口大介、宮崎菜穂

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演劇企画集団THE・ガジラ 「どん底」@2011 笹塚

原作読まずに見たがまさにどん底の人々。
人間、自由、という単語が熱くも虚しくこだまする。
這い上がるのではなく、逃げるか順応するか。

ラストの役者の死はチェホフ作品を思わせる・・・って実際影響されたのですね
ゴーリキーは。

また、今の日本人(特に若い人)にどん底のような作品を演じるのは難しいとも、思う。
どん底に生きる人々としてのリアリティが薄いのだ。
どこかしらの希望を失っていない。それがにじんでしまう。
役によってはそれでもいいのだけれど。

ガジラ・鐘下ともはじめてだったので、傾向は読めないのだけど
悲鳴がお化け屋敷のSE的だったり、
音楽の使い方がちょっと特徴的?
個人的にはちょっと違和感でした。

笹塚ファクトリーの地下、息苦しくなるような木賃宿の風情は大いにあり
息が詰まりそう。
でもそういう空間で演じられる芝居だと思った。

ふと、小山内薫の「奈落」と比較研究が出来ないものかとも
思ったり。

◆キャスト
占部房子(小野事務所)
石橋祐
白井圭太(株式会社イイジマルーム)
小野健太郎(Studio Life)
小高仁
いわいのふ健(株式会社 コスモ・スペース)
須加尾由二(東京セレソンデラックス)
橋本美和 (イマジネイション)
和田真季乃
松田千尋
遠藤沙季
狩野淳
酒井和哉
伊澤玲(北区つかこうへい劇団)
冨澤力(流山児★事務所)
大石憲
本間健大

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明治座 五月花形歌舞伎 昼の部@2011

家から近いわりに行ったことがなかった明治座です。

開場前(!)から人が多い!
今日は団体さんもあってか女性&着物率が高い。
土産物屋もたくさんあって、さすがです。
三階(中二階的)は狭いし、その割に花道見切れてしまうのは残念。
でもいかにも劇場らしいなと感じました。

まず義経千本桜。
大道具(階)故障してドキドキでした…
亀治郎が出る時に引っかったのか、段の真ん中部&上手の手摺りがズレ…
しばらく後ろでトンカンして直しておりました。

義太夫、切りは葵太夫で渋く。

亀治郎は以前より猿之助味が薄れ、良い意味で磨かれた個性が出てきている。
技巧と情感のバランスもよい。
けれん味たっぷりに、でもやり過ぎ感はない。
成長が嬉しく、澤瀉屋の遺伝子を感じちょっと切ない。

途中で気がついたのですが、
千本桜・蝶の道行・封印切…て全部義太夫(竹本)か!
竹本好きですが、長唄や清元とバランス取れなかったのか…と。
さすがに3本ともはちと重い。

蝶の道行でふとロミオとジュリエットを思い出したり。
何回か見て、結構好きな舞踊です。

封印切。
小山三の元気を喜んだところで、本筋。
基本はこの間(これまた近いな)藤十郎と同じ流れ。
忠兵衛は突き飛ばされた「はずみで」封を切ってしまうし
最後は梅川を先に行かせる型で幕。

上手いとかどうとかいうより、
上方和事のじゃらじゃらした風情て、実はとてつもなく難しいのじゃないか…
と改めて思う。文楽でしか表現出来なくなるのだろうか。

それでも亀治郎・勘太郎・七之助とも成長が見られ
ここしばらく若手の舞台も楽しくなってきた。

【義経千本桜】
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐  市川 亀治郎
静御前  市川 門之助
駿河次郎  中村 亀  鶴
亀井六郎  市川 弘太郎
川連法眼  市川 寿  猿
妻飛鳥  上村 吉  弥
源九郎判官義経  市川 染五郎

【蝶の道行】
助国  市川 染五郎
小槇  中村 七之助

【封印切】
亀屋忠兵衛  中村 勘太郎
傾城梅川  中村 七之助
井筒屋おえん  上村 吉  弥
槌屋治右衛門  片岡 亀  蔵
丹波屋八右衛門  市川 染五郎

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五月大歌舞伎 夜の部@2011新橋演舞場

「籠釣瓶花街酔醒」。

散々観たよな・・・と思いましたがよくよく見ると
発端戸田川原お清殺しの場より大詰立花屋大屋根捕物の場まで・・・
という通常とは違う構成。

発端のお清殺し。
お清の歌江の断末魔がリアル。
僧の鐘(鈴?)の涼やかで重奏的な音が逃げる次郎兵衛(次郎左衛門の父)を追いかけ、
因縁の始まりを思わせる。
まさに「親の因果が子に報い」の図。
※うっかりエリザベート思い出しちゃったり・・・

その後の籠釣瓶の由来についても、
滅多に上演されないし、この場を観るために演舞場に向かう価値、大いにあり。

大詰めの屋根の立ち廻りも珍しいが、
あの角度での本水はちとスリリング過ぎる。怪我が無ければよいが。

全体として配役も安心して見ていられる。
(ごろつき連中が御曹子で豪華なのが不思議だが)

吉右衛門はやはりこういう芝居がいい。
次郎左衛門の痘痕、いつもより増やしているのは何の意図だろう。
特に左側。

栄之丞はやはり梅玉がニン。武家出で品がよく、ちょっと世間知らずなわがままさも。

芝翫は立花屋の大女将、お駒として登場。
声に力がない気がし、少々心配。
 
後半、九重部屋は若干蛇足にも思ったが、
九重の優しさがよく表現される。芝雀は九重役者だ。
「一つ叶えばまた一つ ここらが苦界でありんす」のせりふがいい。

八ツ橋の福助もさすがに神妙。
八ツ橋はいつ観ても何を考えているか分かりにくいキャラクタではあるが、
福助はさらにつかみどころのないイメージ。

縁切り場の襖もうち掛けも着物も「八ツ橋図屏風」モチーフなのは八ツ橋だからか!
今頃気付いた・・・。
今月はあやめ浴衣が続くため、なんとなく統一感があって良い。

佐野次郎左衛門 吉右衛門
八ツ橋 福助
立花屋おきつ 魁春
九重 芝雀
下男治六 歌昇
盲の文次 錦之助
七越 高麗蔵
腹太弥七 松江
禿山の松蔵 種太郎
初菊/娘お千代 壱太郎
赤目の卯左吉 種之助
土竜の石松 米吉
絹商人丈助 桂三
絹商人丹兵衛 由次郎
釣鐘権八 彌十郎
都築武助 歌六
佐野次郎兵衛 段四郎
立花屋長兵衛 東蔵
高松安之進妻おとし 秀太郎
繁山栄之丞 梅玉
立花屋お駒 芝翫


二、あやめ浴衣

若い女芝雀
若い男錦之助
若い男歌昇

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「ゴドーを待ちながら」@2011新国立劇場

学生時代に演劇を勉強した身として、戯曲は読んだことがあったが
一度も舞台を見ていなかった「ゴドー」。
初の挑戦でした。

上演約3時間。

・・・完敗、お手上げです。
不条理な世界を理解する頭もなく、せりふや役者の演技を部分部分で
楽しむことも出来ない私の半端さを思い知るのみ。
横で笑い続けるおばさま方をひたすらうらやましく思うのみ。

笑いポイントがどうしても理解できないため、学生時代の友人にメールしてみると、
「別役実で笑いっぱなしだった」人もいるそうな。
いや笑い要素もあるんですが、でも不条理で笑いっぱなしって、すごい。

ウラジーミル:橋爪功、エストラゴン:石倉三郎。
ゴドーは初めてだが、私がゴドーという作品の持つイメージを体現していた二人だと思う。
繰り返される「待つ」という行為に、
ふと、大島弓子の
「今日は明日の前日だから、だからこわくて仕方ないんですわ」を思い出したのでした。

今月ゴドーが上演され、来月はイヨネスコが上演される。
世の中は不条理づいている。
いやむしろ今の日本そのものが不条理になってしまったのか。
不条理な世界で演じられる不条理劇がどのような印象を与えるのか。
それは60、70年代の演劇環境に似ているかもしれない。

なお、新国立の秋以降のラインアップが好み。
「滅びゆくものに託した美意識」シリーズとして、
三島の朱雀家の滅亡、天守物語など。

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四月大歌舞伎 夜の部@2011新橋演舞場

最初に結論をいうと、
4月演舞場は硬軟取り混ぜてバランスのよい舞台になっております。
徐々に世代交代も進んでよい感じ。
世話物が気分が良い終わり方なのがいい。
唯一、写真入り筋書が買えなかったことが残念!笑

さて。
絵本太功記。
いつもながら変装して人んちで風呂まで沸かして
入っておきながら家来を引き入れ
自前の立派な衣装に着替えてどーん!な
歌舞伎過ぎる久吉が笑えて仕方がない。

というのは冗談ですが、団菊の芝居が楽しめるのがよい。
秀太郎はこの手の重めの芝居には少々ハラが決まらず残念。

浄瑠璃は葵太夫・喜太夫。

男女道成寺。
またも手ぬぐいゲット。昨年の福助に続き、
演舞場での手ぬぐい率高すぎ。
所化に強肩の方がいるとみました。

舞踊は筋書きとだいぶ違った構成。
どちらも若いだけにその身体能力をフルに使った華やかな舞踊に
感じられました。
長唄と常磐津も華やかで心地がよい。
長唄は勝四郎が艶っぽいが、思い出すのは「THE家元」・・・

小吉がすっかり大きくなっていて、ほろりと。
278071953

権三と助十。
井戸ざらえの風情と長屋の人情が楽しい佳作。
秀調の猿回しがなんだか、いい。
人がよさそうなところが、動物遣いという役にあうのだろう。
意外な発見。
権十郎も役人が似合うなあ。
「酒の毒よりお前の口に毒がある」しみじみと、いいせりふだ。


一、絵本太功記

尼ヶ崎閑居の場

武智光秀 團十郎
操 魁春
武智十次郎 時蔵
初菊 菊之助
佐藤正清 三津五郎
皐月 秀太郎
真柴久吉 菊五郎


二、男女道成寺(めおとどうじょうじ)

白拍子桜子実は狂言師左近 松緑
白拍子花子 菊之助

三、権三と助十(ごんざとすけじゅう)

権三 三津五郎
助十 松緑
助八 亀三郎
願人坊主雲哲 亀寿
小間物屋彦三郎 梅枝
願人坊主願哲 巳之助
左官屋勘太郎 市蔵
石子伴作 権十郎
猿廻し与助 秀調
権三女房おかん 時蔵
家主六郎兵衛 左團次


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四月大歌舞伎 昼の部@2011新橋演舞場

私の歌舞伎歴の中でも1,2を争う大好きな作品
「お江戸みやげ」。
芝翫と富十郎のコンビは傑作でした!

その作品が上演された今月。

私がなぜこんなに「お江戸みやげ」が好きか分かった気がします。
これまた大好きなシラノ・ド・ベルジュラックと通じるのです。
「わたしの心意気(羽根飾)だ!」と死んでいくシラノと、
「これが私のお江戸みやげさぁ」というお辻。

心意気は粋に通じる。
男の心意気は羽根飾りに、女の粋は名残の片袖に。
どちらも切なく、清々しい。

女は仕事と頼もしい女友達がいれば、
一瞬の美しい夢だけでその後の人生も生きていける。
そんな舞台なのです。

一條大蔵譚。
これまで見た中でもかなり良い大蔵卿。
菊五郎は役を演じるタイプの役者と思うが、
その芸質と、つくり阿呆という役柄がマッチし、
やり過ぎない品の良さが質の良い舞台を作り出した。
脇も手堅い。文楽でも見たい作品。

封印切。
今回は封が「はずみで」切れる型。
忠兵衛の意思の力が弱まるが、
三津五郎の八右衛門とのバランスはいい。
舞台はこういうものだ。
幕切れも梅川を先に行かせ、忠兵衛、おえんでたっぷりと。
この種の役の秀太郎の風情は素晴らしい。
全体として演舞場昼の部には満足。

團菊&藤十郎だし当然と言いたいが、舞台は水もので難しい。
一條~の義太夫は喜太夫と葵太夫で渋く。

昼の部


一、お江戸みやげ(おえどみやげ)

お辻 三津五郎
文字辰 扇雀
お紺 孝太郎
鳶頭六三郎 亀鶴
角兵衛獅子 巳之助
女中お長 右之助
市川紋吉 萬次郎
阪東栄紫 錦之助
おゆう 翫雀

二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)

檜垣
奥殿

一條大蔵長成 菊五郎
常盤御前 時蔵
八剣勘解由 團蔵
鳴瀬 家橘
お京 菊之助
吉岡鬼次郎 團十郎


恋飛脚大和往来
三、玩辞楼十二曲の内 封印切

亀屋忠兵衛 藤十郎
傾城梅川 扇雀
丹波屋八右衛門 三津五郎
井筒屋おえん 秀太郎
槌屋治右衛門 我當

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三月大歌舞伎 昼の部@2011演舞場

昼の部はもう一度観に行きたいと思える出来。
こんな状況だからこそ、歌舞伎らしい歌舞伎を観たいと、
観たと思えるものが観たかった。そんな気持ちを満たしてくれた。

眼目はやはり「曽我綉侠御所染」か。
吉右衛門と菊五郎の抜群の安定感、
黙阿弥の七五調の渡り台詞も最高に耳に心地よい。
脇も若手ではあるが手堅く安心して観ていられる。
伽羅先代萩に続き、歌舞伎を見た、という気になるのはなんともうれしい。

伽羅先代萩。御殿は飯焚きを見せる。
歌右衛門追善であれば当然か。
政岡は魁春初役(意外!)。
化粧、しぐさとも恐ろしいほど歌右衛門に似て(似せて)いる。
いいか悪いかは別として。何より丁寧、行儀がいい。
楷書の政岡という印象。
初役であればそれで十分だし、むしろこの人にはそうであってほしい。

沖の井の用意した御膳を上手に置くのはいつもの型だったか?
思い出せず。
八汐に梅玉。冷酷ではあるが憎々しくはならないのがこの方のニンだ。
栄御前の芝翫は黒髪で若く作る。この人だと策を弄しながら抜けた感じが出る。
浄瑠璃は葵太夫。仁木に幸四郎、最後にちらりと。

恩讐の彼方に。
團蔵の死に方がいい。
また脇が秀逸で、いかにも役を生きているという感じがする。
それだけに松緑の役を演じている感じが気になってしまった。
菊之助はきれい過ぎるが、犯罪に対する情のない冷酷さが現代的で面白い。
もう少し歳をとった役者で観たい内容ではあった。


昼の部

一、恩讐の彼方に(おんしゅうのかなたに)

中間市九郎後に僧了海 松緑
中川実之助 染五郎
お弓 菊之助
馬士権作 亀三郎
若き夫 亀寿
浪々の武士 亀鶴
中川三郎兵衛 團蔵
石工頭岩五郎 歌六


六世中村歌右衛門十年祭追善狂言

二、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)

御殿
床下

乳人政岡 魁春
八汐 梅玉
沖の井 福助
澄の江 松江
一子千松 玉太郎
荒獅子男之助 歌昇
松島 東蔵
仁木弾正 幸四郎
栄御前 芝翫


三、曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)

御所五郎蔵

御所五郎蔵 菊五郎
傾城皐月 福助
傾城逢州 菊之助
新貝荒蔵 亀三郎
秩父重介 亀寿
二宮太郎次 尾上右近
番頭新造千代菊 歌江
梶原平蔵 権十郎
甲屋女房お京 芝雀
星影土右衛門 吉右衛門

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「チェーホフ?!」@2011東京芸術劇場

タニノクロウ「チェーホフ?!」を見る。
タニノは野鴨以来、近年最も注目している劇作家だが、キてる。
精神科医ならでは、というべきフロイト&ユング的解釈によって
医師であったチェーホフを舞台上に再構築する。
舞台はシュールレアリズムの絵画のようで、
象徴的なアイテムと色・音楽・身体で構成され、一片の隙もない。

演劇の見方は様々あるだろうがこの作品は解釈を求めているタイプだろう。
全てはイメージであり台詞はわずかだ。
であるがゆえに発する役者の力量が問われるが
これも個性的で実力派の役者たちの配置により演じきられている。
この空間を共有できることの幸せ!

誤解を恐れずにいえばかなりクロウト好みの作品だろう。
惜しむらくは私に理解し語るだけの知識が足りないことだ。
出演は篠井英介・鞠谷友子・手塚とおる・蘭妖子・マメ山田。

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2月歌舞伎公演「女殺油地獄」@2011ルテアトル銀座

昼夜見たのですが、インパクトという意味でこちらから。

※ネタバレあり、筋書は未購入

端的にまとめると本興行ならざる公演の面白さ。観る価値あり。
近松の普遍性を感じる。いや人は昔からそれほど変わっていないのか。
染五郎の現代性が見事にはまる。


序幕、野崎参りの舟での 「ふり売り喧嘩」(小菊登場)から始まり、盆が回って徳庵堤というのがよい。

彦三郎はどう見ても上方の商家の主人ではないが、
与兵衛に旧主の面影を見るところがよい。
唯一の上方、秀太郎のささいな仕草はっ!とした仕草に世話を感じる。

豊嶋屋七左衛門に門之助。
徳庵堤ではさほどでもないと思ったが、
終幕になるにつれ妻を失った男の愛情と狂乱がよく出ていた。

太兵衛に亀鶴。
通常であれば勘当の場で手堅い兄貴というだけだが、
今回は終幕がつくため、より印象が強く、
隠されていた情愛の風情も出る。
小菊は高麗蔵休演のため笑也。美しいが少々権高か。

与兵衛の染五郎について。
与兵衛のマイベストは仁左衛門だが、染五郎のアプローチは興味深い。
ニンとしては海老蔵より仁左衛門よりだが、
今回の演出がそれを引立たせつつ独自性を持たせた。
仁左衛門ならばお吉殺しで終わるべき、終わってほしいが、
染五郎なら最後まで演じても絵になるだろう。
与兵衛の染五郎の現代性と近松(江戸)の因果因縁の不協和音が
独特の化学変化を生み、殺しから終末へむかって突き進む。
薄笑いを浮かべた(ように見える)表情と、
憎憎しげな表情が交互に浮かぶ姿が、
与兵衛という役のパーソナリティを非常によく表しており印象的だ。

この舞台のクライマックスは殺しではなくその後にあり、
染五郎のあまりにも現代的な有り様にある。その点も仁左衛門との違いだ。

亀治郎のお吉。残念ながら好みではない。
よろめく風情はあるものの、もう少し柔らか味と、表情があってもよいのではないか。
これはまだ開幕直後のせいもあるだろうが、
もしかすると上方の世話物との相性かもしれない。

小栗八弥に亀三郎、妹 おかちに宗之助、 叔父 森右衛門 錦吾。

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